高卒認定から東大合格までの足跡 ーシリーズ「中卒」東大生、合格への道程 第1回ー

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はじめまして!「中卒」東大生ことパソマソマソです。
パソと呼んでください。Please call me パソ!

今回は、連載シリーズ「中卒東大生、合格への道程」初回として、自己紹介を兼ねた記事を書くことにしたいと思います。

「中卒」受験生になった経緯を説明しながら、僕がどういう人間なのかを知ってもらいつつ、「へえー、こんな奴でも東大に受かってしまうものなのか」という感触が受験生の皆さんに伝わることを目指して、筆を進めて行きたいと思います。

目次

「中卒」ってどういうこと?

中卒」というワードに興味を持って下さっている方も多いかと思います。

そこで、まずは「中卒」がどういうことを指すのかを説明しておきます。

ここで「中卒」と呼んでいるのは、端的にいうと、高校を卒業せずに東大に入学したということです。

具体的には、僕は新型コロナがはじまった高校2年進級時の春頃から高校に通うのをやめ(正式には高2の7月に退学)、高卒認定資格を取得しました。その後東大を受験し、現在は東大文科Ⅰ類に在籍しています。

高卒認定資格は高校卒業資格とは別物で、まだ東大も卒業していないことから、僕の最終学歴は「中卒」となっているというわけです。

となると、次に「なんで高校をやめたのか」が気になってきますよね?
(むしろ、そこを気にしてくれると僕としてはとても嬉しいわけですが笑)

理由は複数あるのですが、第一に大学受験に対するレベルと熱量の差があります。
僕の通っていた高校はいわゆる「自称進学校」で、京大合格者が数年に一人出る程度で、その他国立大合格者が毎年20人ほど。合格者のボリュームゾーンは関関同立あたりです。

御多分に洩れず、よく聞く「自称進学校あるある」の如くで、何せ課題が多い。

パソ

独学しないと東大には行けない。授業の予復習だけでは東大に入れるわけでは到底ない。にもかかわらず、課題だけは一丁前に出してきて自学時間を削ってくる。

これが当時学校に対して感じていたことでした。
同じように考えている高校生は案外多いのではないかと思います。

そんなこんなで、コロナ休みに入った頃、宿題も出さず自由気ままに受験勉強をしていると、担任の先生から電話がかかってくるわけです。
そこでの会話を手短にまとめるとこんな感じです。

担任の先生

おいパソ(←実際はもちろん実名)、宿題を出しなさい

パソ

一人で勉強してますし、宿題がおもしろくないので嫌です

担任の先生

それなら学校にいる意味ないんちゃうんか?

パソ

たしかにそうですね。辞めることもちょっと考えてみます

ここで先生も「は?」となったんじゃないかな思います笑
僕としても「先生もそんな言い方せんで良いやん。一泡吹かせてやろう」という気持ちがなかったわけではありません。

「辞めたるわ!」みたいな大口を叩いておきながら、簡単に引き下がるのも癪だしな、なんて思いながら、高校を辞めてから東大に進学する道はないものか、ネットで調べてみました。
すると、「高卒認定資格」がヒットし、またもう少し成績が上がれば塾で特待がもらえることも分かってきました。

結果、「それなら高校を辞めてもええじゃん」という判断に行き着きました。
それからは、親戚を説得し、友人に別れを告げ、”晴れて”「中卒」受験生になったわけです。

高校を辞めてから2年間の受験生活

それはそれは、ほんとに一日中勉強していました。しかも、2年間ほぼ休みなく毎日です。

というのも、灘、開成等の中高一貫名門校の生徒たちに比べれば、地頭が良い自信なんてこれっぽっちもなかったからです。彼らと戦うには、勉強量で勝負する他ありません。それならば、休日返上で勉強するしかありません。

そこでひたすらに勉強しました。
その甲斐もあって、高2時点では「もしかしたら受かるかもしれないな」くらいであった成績が、高3に入ってからはほとんどの模試で東大A判定になるほどに成績が上昇しました。

入試当日は大失敗したので成績開示は散々でしたが(苦笑)、それでも無事に今春東大生になることができました。

大学生になって受験生に思うこと

以上、僕の一風変わった「受験への道程」を駆け足で追ってみました。
ところどころ、共感してもらえる部分もあったのではないでしょうか(特に「あー、高校意味ないわ、辞めてー」の部分とか笑)

近頃では通信制高校も増えていると聞きますし、また僕みたいな高認経由の受験生も増え、高校進学時点で様々な選択ができるようになってきていると思います。
通信制だろうが「中卒」だろうが、少数派が選ぶ道であっても、東大やその他の有名大に堂々とチャレンジしていける!
僕はそう信じています。
そういったマイノリティな受験生を心から応援したいと思っています。

ただ、果敢なチャレンジには、「正しい方向性」と「絶対的な努力量」が共に不可欠だと思います。

正しい方向性」については、ネットで情報を集めたり(ただし、情報は玉石混交なのでくれぐれも注意してね!)、学校の先生を頼ったり、あわよくば僕たちオプスタを頼ってもらったり、と信頼できる人の力を借りながら設定していきましょう。

絶対的な努力量」に関しては、なんといっても皆さんの頑張り次第です!
必死に受験勉強をした中で得た経験や自信はかけがえのないものになると思います。
(少なくとも、僕にとっては貴重な経験を得られたと思っています)

「中卒」受験生も、通信制の人も、もちろん定時制高校に通っている人も、皆さん合格に向かって頑張りましょう!
心から応援しています!!!

今後、オプスタ公式サイトにおいて「「中卒」東大生、合格への道程」と題して、受験回顧録を定期連載していく予定でいます。

次回の連載では「中学時代から高1までの勉強」について、もう少し深掘りした内容を扱いたいと思います。

これからも記事を通じて、お付き合いいただければ幸いです。

Author パソマソマソ
東京大学文科Ⅰ類 1年 
Twitter: @Pasomasomaso_
公立高校を1年で中退し高卒認定から現役で東大合格という異色の経歴の持ち主。
東大模試ではA判定の常連で、9回中8回がA判定。
東大オープンでは総合で42位、67位など2桁順位を連発。数学は75/80点で5位を取ったことも。
とてもよく気遣いのできる好青年で、受験生に寄り添えるTAとして最適の人材である。
オプスタからの熱烈なスカウトを快諾し、オプスタTAとして参加する。

代表講師・門脇からのコメント

今回のパソ君の記事について、くれぐれも勘違いして欲しくないのですが、東大合格のために高校を離れることを積極的に推奨しているわけでは決してありません。
パソ君の連載を通じて、難関大学合格に至るルート=道程は決して一つではないということを、多くの人に提示したいと思っています。

大学合格に至る道程には多様性があってしかるべきであり、パソ君の受験回顧録はまさにそれを示す好例と言えることでしょう。

私は20年間の講師生活を通じて、様々な東大合格者を目にしてきました。
私が担当してきた生徒たちは、みんな勉強遍歴は様々で、それぞれに個性的な受験生活を経ています。
そういった多様な合格パターンがあるにもかかわらず、それがなかなか周知されないがために、「東大合格には必ず○○をすべきだ!」といった紋切り型の言説が世間にはびこっていることを、大変もどかしく感じます。
そういった現状に、パソ君の連載がささやかながらも一石を投じるものになってくれることを願っています。

地方在住で有名進学校に通えない、高校をドロップアウトしてしまった、など、色々な事情を抱えながら難関大を目指している受験生もたくさんいることでしょう。
今後の連載を通じて、そういった受験生の一人でも多くに勇気を与えてくれるのではないかと期待しています。

読者の皆さんも、ぜひともご期待ください!

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